戦後の苦しい時を乗り越えてきたお年寄りは「勿体無い。」と言う気持ちが強く尿取りパットが少し位汚れても取り替えることをしない、そこへ認知症がプラスされると2~3回分の尿でパットが重くても便が出ていようが気にならないと来る。
匂いで気が付き直ぐに取り替えさして頂くが、おとなしく「ありがとね。」といって変えさせて下さる方ばかりでは無い。
トイレに行かれるのをそっと後ろからついて行き一緒にトイレに入るなり
「なんでくるんだ、警察を呼ぶぞ。」
「パット変えてね。」
「汚れちゃいんよ、うるさいね、そんなこと言うとこどこにもないわ。」大声で喚き散らす。
食後の口腔ケアでも
「入れ歯洗ってね。」と言うと
「今洗ったばっかりだわ。うるさいね、いいじゃんか。わしの歯だもんで。」
(そうだよ、あんたの歯だからどうなっても良いんだけどね。)
「まだ、歯磨き終わって無いよね。」
(誤嚥性肺炎にでもなったらこわいよ。)
「うるさいね。いちいち。」と喚きながら入れ歯を洗面台に投げ入れる。
(入れ歯割れちゃうよ。)
そーと見ていると、きれいに洗っていた。
睡眠時間が近くなったので
「居室の前迄(端っこの部屋)一緒に行こうか?。」と声かけると
「行ってくれるだ?ありがとね。」と言ってうれしそうに歩きだす。
今日のやり取りは明日まで後を引かない、認知症。
明日はまた始めから。