「家に帰るで頼むな。」
「はいね。ご家族に連絡を取っってみるね。」
「正月はどうするだ?」「家に、帰るよう頼んだよ。」
「僕も帰るけど書く書類はどこにあるかな?」
「書類は無いですよ。」
「あの人が帰るって言ったけど書類に書くんじゃ無いのか?」
「書く書類は無いですよ。ご家族に連絡を入れて見ますね。」
正月が近づくと皆さん落ち着かず、対応に神経が疲れてへとへとになる。
その内少ししっかりとされている方が
「家族が迎えに来ないと帰れないんですよ。僕は正月はここに居ますよ。」
「すぐ近くだから1人で帰れるよ。」
「一人じゃ返してくれないんですよ。家族が迎えに来なくちゃ出れないんですよそう言う決まりなんだから。」
「そんなバカな話は無いよ。」
「いいや、そういう決まりなんだから。」
「バカな、そんな話は聞いて無い。」
喧嘩にならなきゃ良いがとハラハラしながら他の方の介助に向かう。戻ってくると理解したのかどうなったのかわからないがそれぞれの席でテレビを見たり他の話題で話をしている。
スタッフを捕まえて「あんたに腕時計を預けたが返してよ。」と言っている
「いいえ、預かって無いですよ。」
「さっきあんたに預けたよ。」と言い張る。
入所の時の持ち物記載を見ると腕時計は持って来ていない。
被害妄想の方の対応も大変なものです。
「食事が終わったら一緒に探しましょう。」
食事の後には腕時計の事はすっかり忘れて今度は
「ご飯を食べてる間に誰かが部屋に入ってズボンを盗んだ。」と
次から次へと介護現場の対応です。
お正月位家族で過ごせると良いのですがコロナウイルス、自分達だけで、家族に嫌われる原因を作った本人が良く無いのか様々な理由が有って施設でお正月を迎える方々、対応するスタッフの心もへとへとです。