105歳のAさんに本をお渡しした。
同じテーブルに後3人の方が座っていた。同じように本をお渡ししたのだが手にする様子も無くうたた寝をしている方、「まんま食べたい」と叫んでいる方それぞれの過ごし方をされていた。
Aさんが朗読を始められた。詩吟をされていたと言うだけあってしっかりと通る声ですらすらと読み進む。暫くするとそれを遮るように「うるさいよ。」と言う声が聞こえた。うたた寝をされていた方が眠りを邪魔されて言ったのかなと離れたところで静観していると、もう一度
「うるさいよ」と声がした。
「そうかねうるさいかね。皆に聞かせてやろうと思ったのに}とAさんが返した。
さすが、最年長。その後は黙読になった。
このAさんは食事が終わると入れ歯を外してお箸で入れ歯の掃除を始める。その果てに湯飲み茶碗(お茶が入っている)の中へ入れすすぐ。
「まだ皆が食べているから辞めて。」と声掛けすると
「わたしゃ終わったよ。」
「だからみんなはまだ食事中でしょ。」と声かけながら急いで洗面台にお連れする。
自己中だからここまで長生きできるのか、歳を重ねるとこうなるのか。
こうはなりたくないと思いながら介助する。