「お姉ちゃん、おしっこ行きたいよー」
「お姉ちゃん?誰かいませんか?」
最高齢者(106歳)の通る声が響く。介護スタッフにも充分聞こえている。
「待っててね、次行くから。」と声を掛けてもスタッフの声は最高齢には聞こえない。
「誰かいませんか?」
「おしっこいきたいよー、漏れちゃうよ。」
スタッフがそばに行き
「トイレは行かなくていいの、機械で摂ってるから。この管でね。」と尿道挿入管を見せても
「そうかね。それでもおしっこいきたいよー、便がでたいよー。」
「トイレに行って来たばかりでしょ、便もして来たよ。」言い終わらないうちに
「誰か連れてってちょうだい」
毎日この会話が続く。
夜勤者によると昨夜は15回以上呼ばれたよと報告が。
今日も「誰かいませんか?お姉ちゃん、誰か連れてって」の声が響く。
「お姉ちゃんはいません。おばさんならいるけどね。」と声かけながら近くで
「にぎやかいよ、うるさいよ。」と、冷たい言葉をかけてしまう。
スタッフ同士「優しくなれない自分が嫌になるよね、自分が壊れそうになるよ。」と
心の中をさらけ出しストレスの軽減をする。