今日は100歳の方です。(夕食後)
「ねぇーあんた。今日迎えに来てくれるか電話してやー。」
「電話できないよ。」
「なんで?」
「もう夜だもの、この時間はもう事務員さんも帰っちゃったよ。」
「電話できないだ?迎えに来てもらいたいよー」
「明日、朝ご飯を食べてから私と同じ色の上着を着てる人に頼んでね。」
「何てたのむだ?」
「家に電話してって頼んでね」
「明日だね。」
早くにご主人を亡くされ一生懸命働かれたと話して頂いた。365日休まず仕事に励んだし病気で寝たことは一度も無いよと。でも子供さんたちが独立されひとりで住んでたとと言う。
居室に戻られパジャマに着替えられたのか、車椅子を押してゆっくりと又フロアに来られた。
「ねーあんた。電話できないだ?」と言う
「明日。朝ご飯の後で頼んでね」
「明日だね。」
「そうだよ、今日はゆっくり休んで明日電話しようね。」
「ねぇーあんた、洗濯物が帰っちゃ来ないが」(アレー洗濯物にすり替わったよ)
「洗濯物が無いの?今から皆を起こして聞くわけにいかないし明日、洗濯物がクリーニングからが帰ってくる日になってるから明日探そうよ。
「明日帰ってくるだね?」
「そうだよ、もう部屋に帰って寝ようね」と居室まで付き添った。
居室に向かう途中で
「あんたに遭えてよかったよ、ありがとね。」と感謝された。
「こちらこそ、ありがとね。」と返しながら
(明日の朝は悲しいかな、今の事はこれっぽッチも覚えて無いよ)
認知症の良い所でもあり悲しい所でもあるのかな。